おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
9月に
西北料理(主に羊肉料理など)の
大規模外食チェーン店である西貝莜麺村で
食べた有名企業家が
「ここの料理は高いのに
預制菜ばっかりだ」
とウェイボーにつぶやいたことから
事件は始まりました。
何気ないつぶやきに
多くの人が反応し
このチェーン店は多くの非難に合います。
中国語の預制菜とは
インスタントやレトルト、プリメイド食品のことで
事前に加工された料理を指します。
このニュースを見た時に
私の感覚で言うと
チェーン店ではそういった料理が使われているのは
当たり前じゃないの?
セントラルキッチンが主流で
味のばらつきもないように
店でイチから作る店の方が少ないんじゃないか
と感じ、この炎上を不思議に思っていました。
そんなことを言いだしたら
ほとんどのチェーン店は該当するし
たまたま有名人の標的になってしまった
このチェーン店の社長はかわいそうだと。
しかし
このニュースは大きく広がり
政府まで
預制菜の定義とは?
どこまでが
それに該当するかを解説したりする事態にまで
発展しました。
例えば
カット野菜は?
事前の加熱調理されたものは?
セントラルキッチンで調理されたものは?
などなど
ほとんどが預制菜には当たらない
という解説が出されました。
(今も検討は継続中)
やはり感じた通り
言い出したらきりがないし
何が預制菜なのかということも
範囲が広すぎるので
単純にこのチェーン店が
風評被害を受けたように思いました。
ちなみに
日本ではレトルトの定義が決まっており
レトルト殺菌がされたかどうかだそうです。
その後
問題は収束に向かうかと思いましたが
まったく収まりません。
ここに私の感覚との
違いがあり
この問題は
中国においては
本当に預制菜の定義に当てはまっていたのか?
が重要ではなく
消費者の預制菜への感情や信頼の問題
だったそうなのです。
そもそも
中国で預制菜は
かなりマイナスな意味として捉えられており
その場でイチから作られることを好みます。
学校給食に預制菜が導入されることで
保護者からの大きな反対が起こるということも
2023年にありました。
この背景には
定義がどうこうでなく
そもそも外部の業者や下請けに作らせたものは
信頼できないという
中国の食の安全に対する意識があります。
(実際そういう問題もたびたび発生していますし
それに対して日本よりもかなり敏感)
地溝油の事件があった当時から
外食店への不信はだいぶましになっていますが
やはり残っているようです。
なので
自社のセントラルキッチンでも作っていたとしても
それが預制菜だと言われてしまえば
マイナスな感情を持ってしまいます。
(政府の定義としては預制菜に入らないとされていますが
言葉そのものに負の感情がある)
もう一つは
情報開示と値段です。
預制菜なのに高い
価格が高い安いは
個人の価値観によってしまいますが
店の説明やポスターや宣伝において
どこまで開示しているかも
この判断に影響しているようです。
例えば
このニュースが出た時に
日本企業のサイゼリヤも
預制菜なのに、なぜ責められないんだ?
というのも話題になりました。
しかし
サイゼリヤはそもそも
セントラルキッチンです
預制菜です、だから安く提供できます。
と消費者に情報を開示しているため
まったくあおりを受けませんでした。
(むしろ、なぜ責められないんだ?
と言った人が、炎上する事態となり
西貝とは逆の展開に)
なので消費者の求めていたのは
情報開示に基づく
「何を・どこで・どこまで」加工かを明示
(セントラルキッチン/店内/外部)
信頼と価格の妥当性であり
そこが不透明なまま
「現場で作りました」
「新鮮な材料です。」
などレストランでよく見かける
宣伝文句を使っていながら
少しでも
預制菜の要素が感じられると
大きく信頼を損ね
反発につながるということのようです。
今回の事件も
企業的には違法なことや
間違ったことはしていないと思うのですが
食に対する意識
期待値の高い消費者に対して
「預制菜ではない」
「定義にあてはまっていない」
という反論を繰り広げてしまった
経営者の対応が
消費者心理を考えられていなかったことが
まずかったようで
後に謝罪するところまでいったようです。
ちなみに
中国の代表的チェーン店である
老郷鶏は
「赤・黄・緑ラベル」で自ら預制菜の程度を区分し
消費者への誠実な伝え方、信頼構築を以前から
行っていたとして
改めて脚光を浴びています。
中国において
食に対する消費者の目の
厳しさを痛感するニュースでした。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
P.S
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