おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
ちょうど先週の6月9日
中国の受験イベント高考が終了しました。
(高考の詳細については以前記事を書きました。

3日間にわたり、
その後も連日、関連ニュースが報道されていますが
・デジタル機器によるカンニングがあった!
・遅れそうになった学生を近所のおじさんが助けた!
・○○省の神童が万点をたたき出した!
などなど
毎年ニュースが絶えません。
社会的にも
この一大イベントには細心の注意を払っており
騒音を出さないような規制(工事の停止など)も
この期間には行われます。
今年初めて気づいたのですが
シェアサイクルのロックを解除する際に
普段は開錠を知らせる音がかなり大音量で
流れるのですが
この期間中は
アプリ上に受験中なので音は出ませんと表示され
開錠の音までなくなっていました。
企業側も最新の気を使ってるのだなと感心しました。
さて、そんな高考ですが
興味本位で問題を見てみると
日本のセンター試験とは比べ物にならないくらい
難しいです。
最初の方は
センター試験のような選択式の問題などが出され
似ているのですが
後半に行くにつれて
中国では2次試験がないこともあり
記述問題や、証明などどんどん難易度が上がります。
歴史の問題を例に挙げると
本当に古代王朝から、2000年代まで
相当な範囲があり
過去の選択問題で言うと
・孔子が「玉の五徳」で示した君子像とは?
A 実利追求 B 法家思想 C 内面的修養 D 兵家強国
→正解はC
・WTO 加盟(2001)後の中国製造業に起きた現象は?
A 輸入依存拡大 B 外資比率低下 C グローバルバリューチェーン組込 D 国有化回帰
→正解はC
・戊戌変法が短期間で失敗した主因は?
A 外債圧迫 B 軍隊掌握不足 C 民衆抵抗 D 列強干渉
→正解はB
などなど
ものすごい範囲から出題されます。笑
特にすごいのは記述問題で
資料を読み、キーワードをもとに500字以内で論じよ。
という形式なのですが
・ 《資本論》中国語初版(1938)序文抜粋と 1956 年中ソ共産党代表団会談記録をもとに、中国におけるマルクス主義受容の「翻訳→適用→発展」プロセスを論じよ(500 字以内)
【答案例】概要
第一段:翻訳運動(20年代〜)で“階級分析”を導入。
第二段:抗日戦期に“農村包囲都市”路線と結合→理論の中国化。
第三段:社会主義改造期、ソ連モデル導入と摩擦 → 鉄道一局集中 vs. 地方分権など。
結:外来理論は土壌と実践で再解釈され、毛沢東思想として結晶。
大学生でも難しいような
マルクス主義そのものの話と
中国では以下にそれが変化して導入されたか?
というようなことを
高校生がまとめ上げないといけない問題が出ていました。
ニュースで高考を知ったり
学生の受験へのプレッシャーや
長時間勉強漬けの学生の話題はありましたが
初めて問題を見たことで
なんで部活をしないんだろう?
なんで学校にそんな長時間拘束されるのだろう?
と勝手に思っていた疑問への
答えが垣間見えたような気がします。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
P.S
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