<工場カイゼン>イチからわかる工程改善と仕組み改善の違い

 

「生産の効率を上げたい」

「原価を下げるために工程を見直したい」

 

中国、タイでこんな悩みを持った

製造業のお客様をサポートすることが多いのですが

 

現場を見たり、

現状の取り組みを教えてもらった時に

よくある課題があります。

 

それは

(1)工程改善

(2)仕組み改善

 

この2つが混同されてしまい

実際の担当者も進め方が分からず

効果を出しにくくなっていることです。

 

今回は意外と知らない

その違いについて簡単に解説します。

 

 

(1)工程改善について

 

作業者を観察していて

もっと効率よくできるんじゃないか?

手待ちが多い気がするから、

作業の組み合わせを変えれるんじゃないか?

 

よくあるのが

7つのムダに基づいて

ある工程の作業でカイゼンできる部分を

探そうとする進め方です。

 

・加工のムダ

・在庫のムダ

・造りすぎのムダ

・手待ちのムダ

・動作のムダ

・運搬のムダ

・不良のムダ

 

このようなムダ発見の切り口を使いながら

作業者がいかに楽にムダなく作業できるかを

追及していきます。

 

そして、

工程改善の最終アウトプットは

標準3票の完成とそれに基づく作業となります。

・工程別能力表

→工程内の設備能力とボトルネックの可視化

・標準作業組み合わせ票

→作業順序と作業時間の可視化

・標準作業票

→作業者ごとの作業導線と

3要素(TT、作業順序、標準手持ち(在庫))の可視化

 

それを定期的に見直し

よりその工程、ラインの作業の効率が

良くなる場所はないかを探していきますし

オーダーが下がり、タクトタイムが変わる場合も

作業分担を見直したりしていきます。

 

 

実際にすべてできているかは別として

多くの中国やタイの工場では

この工程改善のみがコスト低減の活動として

認識され、力を入れていることが多いです。

 

 

後ほど仕組み改善の説明をしますが

自分の工程だけを仕事の担当としていることが多く

 

前後工程や間接部門が原因で

作業の非効率を生んでいる場合でも

領域を超えて、見直すことができない印象です。

 

 

(2)仕組み改善

 

先ほどの7つのムダで

よく経営者が現場を歩いていて

目につきやすいのが手待ちのムダです。

 

例えば

手待ちのムダがあるぞ

作業分担が悪いから、別の作業も入れて

効率を見直そうというのが

 

先ほどの工程改善に近い発想で

ほとんどが高進めてしまいます。

 

しかし、仕組み改善の視点で言うと

前後工程や間接部門の

タイミング、管理方法、運搬ルール

仕掛けルール、生産計画に悪さがあり

作業者が効率よく作業するのが妨げられていたり

在庫(バッファ)を持っているというムダが生まれている

という全体視点での最適化です。

 

手待ちのムダで言っても

・前工程の部品生産が遅かったり

・部品の運搬が間に合っていない

・外注品が受入検査待ちで使えない

などなど

 

作業分担だけでない原因がかなりあります。

 

この前後工程との関係、間接部門の計画や発注のおかしさ

検査スピードの遅さなどが原因として上がりますが

 

その異常が起こった際

どうするかという仕組み化ができていなかったり

ほとんどの場合はその工程の管理者が

自分で何とかするように調整しています。

(すでにある部品を使う様に勝手に計画変更したり

管理者が運搬したり、作業に入ったり)

 

本来は

仕組みを見直すべきなのですが

特定工程の管理者の努力で何とかなっていたり

全体最適のカイゼンをすることが苦手だったりします。

 

仕組み改善のアウトプットとしては

モノと情報の流れ図を完成させるというのがあります。

 

材料納入から加工、完成品が出荷されるまでを

モノの動きと

情報の動き(仕掛け指示や引き取り指示)

洗い出し、

 

モノが停滞している場所

情報が停滞している場所

とその原因を可視化する取り組みです。

 

その停滞が

生産のリードタイムを伸ばし

コストを増加している原因になるので

そこに対策を打つという目的です。

 

オーダーの多い少ないに関わらず

リードタイムをいかに短くするかが

工場の実質コストに影響するからです。

 

工程改善も大切なのですが

ムダをなくす=出来高向上と

勘違いしている従業員が多く

 

オーダーの減っている状況では

生産能力が余っているので

意味がないと思っている人までいます、、

 

そうではなく

両方大切で、どちらも

オーダーの増減に関わらず

一個当たりの原価を維持もしくは低減することを

目標としています。

 

 

そして、

どちらかというと

中国、タイなどの工場では

どうしても仕組み改善が苦手な印象を受けます。

 

責任の範囲、仕事の範囲を

自分の中で決めている従業員が多く

 

前後工程、間接部門とコミュニケーションを取りながら

全体最適、Win-Winな状態を作り出すというのを

自分で進められず、

 

部長やそれ以上のレベルが動かないと

部門間を超えたことができない

 

しかし、そのレベルの人に相談し

解決したいほど、当事者意識を持っている訳ではない。

というのが実態としてはよくあります。

 

 

コスト改善、生産性アップというテーマで進めると

どうしても、工程改善ばかりになってしまうのですが

多くの問題は仕組み(管理)改善が必要な場合が多く

 

特に中国では

従業員同士の関係や阿吽の呼吸で

現場を管理していることが一般的なので

 

駐在員にとって

管理方法はブラックボックスなまま

工場が回っています。

(人的リソースの余裕やバッファでロスが吸収している)

 

なので、

エリアや担当の工程で分けて

現場だけの工程改善を進めるだけでなく

 

関係部署をメンバーに入れ

(材料から出荷まで)

モノと情報の流れを追いながら

仕組み改善を進めていくことをお勧めしています。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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