意外と知らないジャストインタイムの本当の意味

こんにちは。

カイゼン研究会の宇賀です。

今回のテーマは
「意外と知らないジャストインタイムの本当の意味」です。

 

今回は一度基本に立ち返って、トヨタ生産方式の2本柱の1つを考えてみたいと思います。

(2本柱はジャストインタイムと自働化)

 

まずジャストインタイムとはどういう意味か?

有名な言葉なのですが、
おさらいすると

必要な物を、必要な時に、必要なだけ
(生産する、運搬する・・etc)ということです。

 

有名な言葉なので、
何度も何度も聞いて、当たり前のように思っていましたが、

改めてよく言葉を見て考えてみると
意外とわからないな言葉だと感じてきます。笑

 

何をもってジャストインタイムのレベルが高いと言えるのか?

逆に

必要ではない物を、
必要ではない時に必要ではない分だけ
作ってるところなんてあるのか?
(みんなジャストインタイムでしょうと)

というそもそもの話をしていきたいと思います。

必要な物を・・・というのでは伝わりにくいのですが、
このジャストインタイムは何を追及しているのかというと

リードタイムです!


これを短縮することが
ジャストインタイムのレベルを上げるということになります。

 

なぜリードタイムを短くするかというと
材料購入から生産そしてお客様のもとに届くまで

もっと言うと、
商品企画の段階から投資やコストは始まっており

売上をいち早く回収していくことが企業にとって
効率が良い、儲かると言えるからです。

  • お客様の期待にすぐに応える
  • 速さという競争力
  • 豊富なキャッシュフロー

それを追及していった結果が
トヨタ生産方式における、ジャストインタイムなのです。

 

生産のリードタイムが長いと何が悪いかというと

 

・需要予測も長くなってしまう(制度が悪くなる)

・部品発注も早めにしておかないといけない

・各工程ごとに前もって生産指示(計画)をしないといけない

・計画の変更に対応できない(計画変更はそもそも起こるもの)
→機会損失をなくすために過剰在庫で対応。

 

他にもたくさんデメリットはありますが、
つまりリードタイムが長いほど、儲からないという考え方なのです。

 

その思想が原点にありジャストインタイム、
必要な物を、必要な時に、必要なだけということを追及する
=リードタイムの短縮。
→物と情報の停滞、つまり儲からない時間を減らす

という考え方になっています。

(在庫ゼロという誤解も、儲からない、価値を生まな時間を減らす
ということの延長ですが、減らす工夫はしますがゼロではないのが実情です。)
 

ちなみにトヨタ生産方式の2本柱と言いますが、
2本柱というのがどういう意味かというと
「原価低減をし続けるためのカイゼンの切り口」という意味です。

絶えず問題意識を持つための2つの切り口
完全に達成することが難しい理想の姿としてあえて設定しています。

100%達成できるものではないので、
いつまでも問題があるようになる。

だから、ずっとギャップ(問題)を見つけられる。

そしてその問題をつぶすことで儲けにつなげる。

実は見える化についてよく説明している基準
と全く同じ考えなのです。

(基準を決め、そこから外れるものを異常(問題)とし
それを可視化するのが見える化。良い、悪いをはっきりわかる状態を作ること。)

その基準を会社全体、
工場全体、従業員全体において共通認識としているものが
トヨタ生産方式の2本柱ということです。(会社の基準)

 

その一つがジャストインタイム=リードタイムの短縮になります。

 

その理想(基準)を追いかけるために
様々なものが生み出されてきた結果が
今のトヨタ生産方式になっているのです。

例えば
リードタイム短縮のために

 

■後工程引き取り

売れた情報で作る。

かんばん方式や小ロット生産、運搬(そのために段替え時間短縮につながる)が考案される。

(物と情報の停滞を減らす仕組み)

 

■工程の流れ化

モノの流れの簡素化、整流化、一個流しに代表される工程間や工程内の在庫を最小限にするための取り組み

 

■必要数とタクトタイム

売れるスピード(必要数)と同じ速さで作る努力。
売れた量が先に決まり、そこから構え(4M)を決める。

→過剰な物を作らない。

そのために標準作業を決める。

 

という発展がありました。

 

単純にジャストインタイムとは必要な物を、必要な時に、必要なだけ
と知っておくだけでは、もったいなく、

トヨタ生産方式は複雑そうに見えますが
ジャストインタイムという思想を起点に始まっていき、
いろんな手法が生まれ、今の生産方式に至っているということなのです。

本日はジャストインタイムをもう一度原点から振り返ってみようということで
長々と書かせていただきました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!


(実際に「ミエルカくん」でデータ収集した事例)
CT実績サンプル

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