こんにちは!
カイゼン研究会の宇賀です。
今回のテーマは「日本にデジタル庁ができる?」です!
2021年9月1日からデジタル庁が発足するというニュースを見て、デジタル庁という名前からしても政府が何か新しいチャレンジをしていくのだろうと思いテーマに選びました!
せっかくの機会なので政府(国)という大組織が新しい取り組みを始めるときにどうやって推し進めていくのか?ということを重点に見ていきます。
企業、ひいては工場で新しいカイゼン活動を始めるときに活かせる部分、ヒントになる部分はないか?と探していければと思います。
なので本日はデジタル庁とは何をする庁なのか?を詳しく見ていくのではなく新しい活動を政府はどういう風に進めていくのだろうということに焦点をあてていきます!
1.内閣の問題設定
2.デジタル庁発足と狙い
3.企業での新しい活動や取り組みに活かせないか?
の順で書いていければと思います。
(回り道したらすみません)
1.内閣の問題設定
議院内閣制や三権分立の詳しい説明はしないですが国会にて内閣総理大臣(国のリーダー)が指名されます。
そして総理大臣により、内閣(行政)が組成されます。
この内閣の仕事として予算案作りや、法案作りが有名ですが、やはり一番大事なのは
国が直面している様々な問題に対して(高齢化や、地方の活性化、コロナウイルス対応なんかもです)リーダーとして方針を決めるということをしていきます。
内閣の基本方針から、各省庁の直面している問題までものすごくあります。
(予算案なんかを作る時も、その方針が反映されていきます。)
そしてそれぞれの問題に対して政策(これも方針に近い)、法案そして予算を決めていきます。
リーダーが方針を決めていくというのは企業でも似ているところだと思います。
(企業方針、部方針、課方針というように年初に作ったりするのではないでしょうか?)
そして、今回の菅元首相が優先している方針、政策(問題設定)が「デジタル化推進」、「環境=カーボンニュートラル」となってきます。
これらの問題はもっと以前から存在しており、もちろん政府としても動いていたのですが、もっと力を入れようということです。
(ここで初めて問題としている訳ではないです。)
まずこういった内閣のリーダーとしての取り組み(問題設定)があります。
続きまして
2.デジタル庁発足と狙い ですが
そもそも今までの内閣でもデジタル(当時はIT)に力を入れようとしていたことはあります。
政府として力を入れて取り組むとなった時に行政部門で推進チームを作ります。
当時もIT推進室(名前あっているか不安です)というのを設置し縦割りで、各省庁ばらばらで進めている、IT化、デジタル化対応という課題の司令塔を担うために作られてます。
(2001,2年くらいからですよ!)
しかし、近年のコロナウイルス対応など明らかに行政がデジタルに対応できないことを
痛感した危機感からもっと力を入れてやるぞ!となったのが今回のデジタル庁です。
(他国との差が出たのが危機感につながったそうです。。インドのマイナンバーを使って現金配布もすごくスムーズだったそうで。。)
ここまでの流れを見るとすごく企業に似ている感じがします。笑
工場でも、新しくカイゼン活動を進めようとなってチームを作って始めたは良いものの表面上はやっているのだけでも、何かうまくいってない。。急な減産などに直面したときに、うまくいってなかったことがあらわになる。。ということはよくあります。
今回は国としても今まで、お金も使って推し進めようとしたけども、効果的にできていなかったということを認めその失敗を踏まえ新たにしきりなおそうじゃないか!というデジタル庁発足と思います。
(こういう新しい活動や取り組みというのは失敗という明確な基準がないことが多いので、テコ入れもせず、形式上だけ、ずるずる続くということは多いはずなので、相当危機感があったのだと。。)
じゃあ、今回は何が違うのか!というのがポイントになってくるはずです。
(一度マンネリ化した活動を立て直すヒントになる部分)
たくさん違いはあると思いますが、主な違いを挙げると
・人数の増加(100人→500人)
マンパワーを増やす。(民間からも100名)
それに国家公務員の採用枠の追加
(デジタルという部門でこれからは採用を始めるそうです。毎年)
臨時ではなく長い目線で、公務員の中でも変化させていきたいということと思います。
・リーダー(上層部)の増加。(責任者を増やす)
内閣総理大臣を長とし、大臣も入り、官僚の事務次官級を2人置きます。
・権限の強化(他の省庁に勧告できる)
他の行政部門に、こうしてくださいという要求や要求を守れない場合、総理大臣から指導が入る。
ということができるようになりました。勧告というのはかなり大きな権限だそうです。
・予算の管理
他の省庁が今まで持っていたデジタル関連の予算をデジタル庁が一括で管理できるようになるとのことです。
・デジタルの日 制定(2022年は、10月2日(日)~3日(月))
特に休日ではないですが、国民にデジタル化を振り返って、見直しができるように定例的な認知活動として設定されました。
(これからメディア等でも大々的に宣伝されるのではないでしょうか)
デジタルを推進していくチームが以前のように失敗せず機能するように以上のような変化(テコ入れ)を入れて、さらに強力に推し進めようとしているのです。
では最後に
3.企業での新しい活動や取り組みに活かせないか?
ですが、一度うまくいかなかったカイゼン活動を立て直すときや新しい活動を始める時に政府が新たな活動を推進するために実施している事から何かヒントになることはないか?というのを見ていきます。
1つ目はリーダーの増加と権限の強化の部分です。
自分たちがカイゼン活動を進めるときも基本的には総経理直轄としてカイゼンチームを作っていただきます。
もちろん実際の運用はカイゼンチームのリーダーが取り仕切り活動を進めるのですが、その下がうまく組織できていなかったり他部署へ要求やアドバイスをしてもそもそも権限が無かったりするのでやってもやらなくても良いんでしょ、ということがあります。
経営的な方針を達成するための活動なので、確実に会社員としては評価ポイントであり、任務になってくるのですがその方針からリーダーの権限がつながっていないと、スムーズに協力を得れず活動の進みが悪くなることがあるので権限を見直して、活動を仕切りなおすということは使えそうです。
(この権限とリーダーの組織上の立場というのはチェックポイントになります。)
2つ目が政府の進め方でも面白いと思ったのですが、新しい活動の宣伝です。(デジタル庁で言うとデジタルの日)
新しい活動を始めるときに組織を作り、責任者を決めPDCAに沿って進めて行くのが基本なのですが、この社内での宣伝というのは教科書通りの活動の進め方では思いつかない部分だと思います。
会社全体にこういうことを始めるんだ、力を入れるんだということの認知活動というのは数値で語れませんが、確実に大事です。
(トヨタでも何か新しい活動、プロジェクトが始まる時は、スローガンや張り紙だけでなく、社内に設置されているモニターからどんどん情報が流れ続けます。プロパガンダ的ですが、社長のこの活動に対する思いなど映像で流れているのは印象に残ります。)
新しい活動を始めるときに多かれ少なかれ、会社全体として取り組むものであるので認知させることは、活動を続けるためにも施策として必要だと思います。
(カイゼン活動がずっと続いている会社は、そういった活動を目立たせる工夫が会社中にされています。カイゼンチームの服を揃えたり、ポスターを使ったり、社内に向けた発表会を持ち回りでしていたり、いろいろ宣伝の機会を作っています。)
この社内宣伝を続ける、みんなにこの活動について考える、思いだしてもらう時間を設定するというのは新しい活動をどう推し進めるか考えるうえでの重要なヒントになった気がします。
(まだデジタル庁が成功するかどうかというのはわからないのですが。笑)
ちょっと長くなってしまったのですが、デジタル庁発足の機会に政府が本腰を入れて何かを変えようとしたときにいったいどのようなことをするのか?ということを見ていきどんなテコ入れ、変化を組織に組み込むのかというテーマについて書いてきました!
最後までお読みいただきありがとうございました!

コメント