こんにちは。
カイゼン研究会の宇賀です。
今回のテーマは「「物流」を見直してみる」です!
物流と言っても大きく分けて2種類あります。
(1)工場内物流 (工程間、構内運搬など)
(2)工場外物流 (調達物流、販売物流など)
今回は
(1)の工場内物流についてカイゼンのポイントの話をしていきます。
中国の多くの工場では工場内物流、つまり工程ごとにモノが動いていくときに動き、タイミングが決まっておらず作業者の判断任せになっていることが多いと感じます。
一番の問題は物流、工程内運搬という作業としての定義がないというところです。
生産している作業者が、キリの良いタイミングで(作り終えたり、材料がなくなったタイミング)でモノを運ぶというくらいの認識です。
トヨタ生産方式(後補充生産)での基本は
後工程引取りと呼ばれます。
(例)
後工程(組付け)が前工程(加工)の材料を使った分だけ、引取かんばんがたまり、そのかんばんの数の分だけ前工程に材料を取りに行きます。
前工程では引き取られ分だけ、仕掛けかんばんが外れその分だけ生産をしていくという流れです。
しかし、
かんばんを使っていない、
後補充生産ができていないということが
中国での問題ではありません。
(順序生産や受注生産など、繰り返し性のない製品では難しい)
そこが問題ではなく、
多くの中国工場との大きな違いは
運搬の作業量、作業内容を把握しているということです。
(これだけ仕事があるから運搬作業者○○人と計算できている)
先ほど言った通り中国の工場では物流、工程内運搬という作業としての定義がないので当たり前のように生産の作業者個人が運搬を担います。
しかし
運搬作業が定義されていないのですごく重複作業があるのです。
あるラインの一人が材料を取りに行き、
そのあとまた別のラインの人が同じ前工程へ、別の品番を取りに行ったりします。
(作業者ではなく管理者が一生懸命運搬し、ライン停止を回避している工場もありますが、管理者が作業をしてしまっている例となります。)
本当は一回の移動をもっと効率的に使えるような改善が進むのが理想なのですが、
・もともと運搬が作業として設定されていない
・取りに行くタイミングが個人任せ
この2点によって
「移動距離を短くしよう!」
「台車を使って運搬を楽にしよう!」
という個人の感覚やライン単位での改善のアイデアは出てくるのですが、
運搬作業全体として
どう作業量を減らすか?
・ルート、運搬先の組み合わせ
・工程を超えた運搬作業順序
・空箱の運搬も含めた効率化
という視点からのアプローチが出てこないのです。
運搬用の作業者をつけるのはもったいないと思いがちなのですが、その日の生産計画や収容数からどのくらい運搬の作業量が必要か?というのはどの工場でも概算できます。
小規模の工場では単純な作業のように見えますが、塵も積もれば山となる、という風に意外に生産以外に使っている時間があることがわかると思います。
そして、この運搬作業を設定していくことで初めて
異常が見えるようになり
「置き場(製品ストア)が使いにくいよね。。」
「探すのに時間がかかるんだよね。。」
「先入先出のために、ムダな入れ替え作業をしていた。。」
というような、
運搬を作業として定義しなければ気付かなかった
見えなかった異常やムダに気付くようになるのです。
トヨタ生産方式の参考書では
・後工程が取りに行く
・定期不定量運搬
・定量不定期運搬
・呼び出し運搬
・水すまし運搬
などなど
方法がいろいろ書かれているのですが、特にかんばんを使うことが前提ということはなく、まずは今の運搬の作業量、内容、方法にスポットライトを当て作業として把握すること。
そして自社の生産やオーダーに合った運搬方法はないかということを考えることが大切です。
(いろいろ書きましたが、倉庫業の人員計画を考えるとわかりやすいかもしれません)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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