原価を下げるSSA活動とは何か?

こんにちは!

 

カイゼン研究会の宇賀です。

www.a-solsh.com

 

あまり聞きなれない言葉なのですが、SSA活動とは何かというと

Smart Standard Activity

の略です。

 

メーカー、サプライヤー一体となって品質や性能基準の適正化をしていこう!!

ということを目的にしております。

 

近年、トヨタグループでも力を入れて推進されている活動です。
(専門のグループも作るくらい)

 

SSAという名前からは意味がよくわかりにくいのですが、わかりやすく言うとこれまでに当たり前となってしまっていた品質基準や、性能基準に対し

本当にその基準が必要なの?
もっと簡単にできないの?
その基準そもそも意味あるの?

と、疑いの目を向けていき、カイゼン、原価低減の種を見つけていくという活動です。

 

すべての作業や工程は基準に基づきそれを守るように設計されたり、人の配置が決まっています。

 

その基準自体を見直し作業そのものや工程を見直す(やめる)というのが狙いです。

 

トヨタでもサプライヤーさんでも日々高いレベルの設計、品質基準を守り生産しているのですが、その基準を満たすために重複する無駄な作業を実施していたり、わずかな基準外れや汚れのために泣く泣く不良品と判断していることがかなりあります。

 

しかし、設計書や品質基準は神様のように扱われているので声も上がらないまま日々、作業が行われているのです。

 

そこで、品質や性能基準を守るために明らかに作業性が落ちていたり、不良率が高止まりしている工程に対して

「そもそもこの洗浄工程は必要なのか?」

ということにどんどんメスが入っているのが今進めているSSA活動です。

 

特にすごく目新しいカイゼンの切り口というわけではないのですが、新しいネーミングをしてカイゼンの種類を再定義し全社イベント化するので、社内/社外にすぐに認知されます

 

そしてこれを口実に、サプライヤーさんも声を上げやすくなります

 

一度標準作業が決まり、それを繰り返していると、作業者がムダだと感じていても

「客先要求だからしょうがないか。。」

「これはルールだからな。。」

となってしまい、疑う対象ですらなくなってしまうというのが通常です

 

製造現場は「決めれらたモノを、いかに効率よく作るか?」ということを改善のエンジンとしています。

 

しかし、この「決められたモノ」の部分に技術員、品管、サプライヤーが協力して疑いの目を向けていくところに意味があります。

 

さらに、このSSAカイゼンはすごくスピード的にも速く結果の出る手法です。

 

例えば、あるサプライヤーでは

品質基準である「汚れ、傷なきこと」

というのを遵守するために、部品についた油を落とす洗浄工程を通していました。

 

これはすでに当たり前の作業になっていたのですが、汚れという数値化されていない基準を守るという目的のためには明らかにもったいない工程なので、洗浄工程なしで問題ないか、トライをしてみました。

 

すると、実は何年も前に油の成分が変わっており、現在使用している油なら洗わなくとも汚れの原因にはならないし、後工程、お客様のもとに行っても問題ないというトライ結果が出ました。

 

トライで合格が出た時点から1つの工程分、リードタイムが短くなりそこへの運搬、水切りと言った付帯作業までなくなる大儲けです。

 

早くやればやるほど利益の出るカイゼンであり、尚且つ、すぐにできるものが多いのです。

 

最近では特にサプライヤーからは大量の提案が来ており、トヨタの品管と協議しながら毎年、数多くの基準の見直しによる原価低減が進んできています。

 

意外とこういう当たり前やこの基準は変更できないという諦めにはバイアスがかかっているので見つけにくいかもしれないのです。

 

しかし、包装材レス化や簡易化などが代表的ですが、意外と客先に相談し、トライしてみたら、品質に問題は起きなかった、ということが良くあるのです。

 

客先にとっても梱包材は、開梱作業や廃棄作業につながるし、梱包している側にとっては梱包材費用、梱包作業がかかっています。

 

「当たり前と思っていた基準を見直し、今までやっていた作業をやめる」

というカイゼンを探すことの大切さがこのSSA活動で痛感したことでした。

 

ちなみに、私もこの活動に参加したことがあり、雨天時運搬の運搬における部品用雨カバーというのをやめたことがあります。

 

エレカでの工場間運搬は雨カバーというのを部品のパレットにかけることが標準だったのですが、毎回つけ外しがありかなり面倒くさそうな作業でした。

 

それをやめたいというのが動機で品管とトライをしていくと、どうやら部品が濡れていても通常通り使用できることが検査の結果分かったので廃止となりました。

 

今までは何だったんだ

と肩透かしを食らうようなカイゼンだったのですが、似たようなことは工場では必ず良くありますし作業者にとってもうれしく効果も大きいので皆さんもぜひ探してみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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