健康診断で一喜一憂

こんにちは!

 

カイゼン研究会の宇賀です。

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ガンマGTPの値が・・・」

コレステロールが・・」

「血圧が・・」

 

以前なら全く知らなかったような単語が知らぬ間に使えるようになり、診断結果にも敏感になってきております。

 

この診断というのはある基準をもとに良かった悪かったと結果が出てきます。

 

悪かった場合は

「さらに精密検査を・・」

「今後はお酒を控えるか。。」

「ジムに通わないと。。」

と異常の場合にアクションを起こし、逆に基準に収まる数値(正常)だと安心して普段通りの生活を続けるというものです。

 

ここからが、本題です。

 

しかし、実際は病気になっている患者は高リスク(異常値)の集団より、低リスク(正常値)の集団からなる方が多いのです。

 

これを知った時私は大変驚きました。笑

 

結果が異常なら何かすれば良いんでしょ?
違うの?正常の方が危ないの?

という裏切られた気持ちです。

 

結論から言うと、低リスクの人口が多く高リスクの人口が少ないからです。

 

そして、基準値を超えるとリスクが跳ね上がる訳ではないからです。

 

例えば、血圧85を超えるとリスクが0%から80%に上がるというわけではなく、全員リスクはあり血圧の上昇とともに徐々にリスクが上がります。

 

今では当たり前のように思えますが、発見当時1985年の医療業界も大きく驚きました。

 

今までは高リスクの人を守れば安全で健康な社会が実現できるというが主流だったのです。
→ハイリスクアプローチ

 

しかしこの発見によって、そもそも低リスクの人も含めて数値を下げなければ社会的なインパクトが出ない

という結論に変わったのです。
→ポピュレーションアプローチ

 

もちろん、現在では2つのアプローチを政府も医療も使い分けながら疾病予防は運用されて、大きな効果を上げております。
(日本に取り入れられたのは2000年ごろ)

 

しかし、以前は異常の人への対処が患者や死亡者を減らすと信じられていたのです。

 

この事例を通して何が言いたいのかというと、このターゲットを分けたアプローチの使い分けは社員の教育や育成でも必要だということです。

 

医療の例と同じで、教育でもレベルに分けたアプローチが主流になっています。

 

医療では全体に向けては食生活、運動など生活習慣全体の改善を促し、高リスクの人には特定リスクを減らすためのアプローチをとります。

 

社員教育も同じように階層別教育という方法がとられておりますが、年次や役職といった方法で分けられております。

 

しかし、全体の底上げのための活動と、より高いレベルの指導者となってほしい人のために別のアプローチをとる教育は、中国ではまだまだ普及していないのが現状です。

 

医療とは逆に全体向けに偏っているのです。

集団全体の底上げのためには座学や講義にとどまらず、各小集団でのQCサークル等の活動が推進されています。

 

同僚や仲間と一緒に活動することがインセンティブとなり、同僚から学ぶことが効果的なアプローチとなります。

 

もっとレベルの高い人や次期リーダーと期待している人のためには個人テーマ、経営者の取り組みたい課題など、高いレベルの課題に対しての問題解決教育という個人のスキルアップにつながる教育や活動が必要です。

 

その2つの使い分けを通して初めて経営戦略としての人材育成が推進できている状態となります。

 

教育や育成は目的や狙いがボヤっとしたまま始まることが多いので、アプローチを使い分けることで教育の目的を明確にし、効果も測りやすくなるのです。

 

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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