DXは『マツ〇・デラックス』のデラックスではない

こんにちは!

 

カイゼン研究会の池田です。

www.a-solsh.com

 

 

マツコ・デラックスと言えば、すぐにあの顔と巨体が思い浮かぶ人が多いかと思います。

 

数年前にはNHK党の立花さんと色々あったようですが…笑

 

中国のBliBliなどでも月曜から夜更かしは人気があるようなので、中国でも知名度はあるようです。

 

マツコ・デラックスを英語表記するときっと『MATSUKO・DX』とかになるんでしょう笑

 

昔からDXと書いてあれば「デラックス」と読むようになっていました。

 

 

そう、数年前までは…

 

最近
「ディーエックス!ディーエックス!」
とよく耳にしますが、何も
「デーラックス!デーラックス!」
と言っているわけではありません。

 

読み方はもうかなり浸透してきたのではないでしょうか。

 

DXとは「デジタル トランスフォーメーション」のことを指します。

 

数年前に元スマップの稲垣さんが出ていたCMで、DXを完全に「デラックス」と間違えている上司役をやってましたが、くすっと笑えるので興味があれば下のYouTubeのリンクご覧ください笑
https://www.youtube.com/watch?v=sghPQpzqVas

 

 

デジタル トランスフォーメーション
Digital Transformation

 

「えっ、だったらDTじゃないの?」

 

と思いますが、これは英語圏で「Trans」を「X」と表記する習慣からきています。

 

これは「Trans」の同義語である「Cross」を「X」と略して書くことが由来になっているとか。

 

DXに限らず、こういったワードの無限増殖についていくのも大変です。

 

いちいち覚えるの大変なんですよね、ほんと…笑

  • SDGs
  • DX
  • BX
  • CX
  • UX
  • IoT
  • MoT
  • ICT
  • BI
  • AI
  • RPA
  • スマートファクトリー
  • デジタル化

などなど…

 

まだまだあると思いますが、こうしたワードが日々生まれては時代のトレンドに乗って拡散されていきます。

 

拡散されるからトレンドが生まれるのかもしれませんが…

 

本当にいくつ覚えるねんと、思ってしまいますが、うまいなーと思うのは、こうしてワードができると使いやすい、流行りやすいという点です。

 

ワードにすることでキャッチーになりやすいから、というのも一つの要因だと思いますが…

 

もちろんこうしてトレンドが生まれていき、それが我々の身の回りを発展、進化、豊かにさせてくれるのであれば大歓迎です。

 

ただ、今回DXなどの記事を見ていてふと思ったことがあります。

 

それは

「DXってそもそも何が目的で何がしたいの?」

ということです

 

本質、目的、コアの部分と言い換えてもいいかもしれません。

 

というわけで、今回はDXやその周辺の諸々について、初心から見直してみたいと思います!

 

 

DXとは、2004年スウェーデンのエリック・ストルターマンという教授が最初に提唱した概念だそうです。

 

このワード自体は結構古いものなんですね。

 

その内容自体は「IT技術によって人々の生活が良い方向に向かっていく」というものでした。

 

正直、今にして思えば何のことはない、ふつーのことを言っているような気もします笑

 

ただ今から20年も前、スマホやアプリ、クラウド、自動運転、なんかも普及していない、WIFI以外の環境下で動画を見まくるなんて想像していませんでした。

 

そのことを考えると、結構画期的な考え方だったのかもしれません。

 

ただ何故20年も前に提唱された言葉が今になって流行った、バズったのかというと…

 

大きな要因は経済産業省のようです。

 

経産省は2018年、とあるレポートを発表します。

 

それが『DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服とDX の本格的な展開~』というレポート。

 

元ファイルはここからご覧いただけます。

↓↓↓

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf

 

ここで出てくる『2025年の崖』というワードがきっかけでDXも広まっていった、というのが通説のようです。

 

これまたキャッチーなワードですね。

 

一体2025年にどんな【火サス】が待ち受けているんだ!と。
(私の中では崖=火曜サスペンスです笑)

 

このレポートでDXというワードが経産省によって定義づけされたのですが、色々と調べていると、色々と皆さん解釈をしているようでして…

 

『DXとはデジタル技術の活用によって、ビジネスモデルや人々の生活を根底から変えることを目的とするもの』

 

『社会へ新しい価値を創出すること』

 

『顧客データの分析から新たな収益モデルを生みだす』

 

『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』

 

『デジタル技術やデータを活用して、顧客体験や働き方などの従来のビジネスモデルを変革させること』

 

などなど…

 

まぁ色々な美辞麗句が並べられているわけですが…

 

最初、私は気になりました。

 

「今までと何が違うん?」

 

と。

 

結局ITで発展、進化、豊かになる、というなら結局一緒じゃないか、とも思うわけです。

 

ただ色々と見ていると、どうやらもっと大きな意味があるようで…

 

私なりの解釈としては、「自分達、自社だけの効果にとどめず、お客様にまでメリット、効果を広げていこうよ!」

 

的な感じです。

 

ちなみに、ちょっとここで似たようなワードの解説も挟んでみたいと思います。

 

たくさんあるので、それぞれ簡単に…

 

 

Sustainable Development Goals

直訳すると『持続可能な開発目標』

要は地球をちゃんと住める状態で維持するために、世界がやらなきゃいけない目標

 

  • DX

Digital Transformation

今回説明します。

 

  • BX

Business Transformation

ITツールを使った中長期的な戦略で企業の業務を改善することを指す。

  • CX

Customer Experience

商品やサービスの機能・性能だけでなく、購入・利用まで/購入・利用後の過程で顧客が経験する価値を指す。

 

  • UX

User Experience

商品やサービスを利用したユーザーが経験する価値を指す。

 

  • IoT

IoT化、というのはDX化の実現に向けた一つの手段。

 

The Metaverse of Things

最近提唱された概念で、最近は流行りのメタバースと周囲が連携していく、という意味っぽい。
(今度メルマガで別途書こうか検討中)

 

  • ICT

Information and Communication Technology

情報伝達技術という意味で、クラウドやZOOMなんかはこれにあたる。

 

  • BI

Business Intelligence

平たく言えば、蓄積されたデータからグラフなどを作成してきれいに見える化してくれるソフトウェア、ツール。

 

  • AI

Artificial Intelligence

人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、あるいは人間が知的と感じる情報処理、技術といった広い概念で理解されている。

範囲があり、AIの中に機械学習ディープラーニングで知られる深層学習がある。

  • RPA

Robotic Process Automation

ソフトウェアロボットを使用してデスクワークを効率化。

弊社も相談に乗れますので、ご興味があればご連絡ください。

 

  • スマートファクトリー

ドイツ政府が提唱するインダストリー0を具現化した先進的な工場を指す。

工場内にAIやIoTを導入して、あらゆる機器をインターネットに接続し、デジタルデータを活用することで、品質や生産性の向上、作業の自動化、見える化などを実現することが目的。

 

  • デジタル化(IT化)

これまでアナログで処理していた業務プロセスをデジタル化し、業務の効率化を図る。

 

こうしてみると、似ていると思っていたワードも実際は意味が異なっていることがわかるかと思います。

 

DXの前にはスマートファクトリーというワードが先に流行っていた気がします。

 

ですが、DXという概念はスマートファクトリーをも含んだかなり広義の意味であることが分かります。

 

というかちょっと大風呂敷を広げ過ぎな気もしますが…笑

 

ただ、やはりかなりの大風呂敷だけあって、お客様にまで広げていこう、というところが今までのワード達とは違うんだよ、と言っているように聞こえます。

 

ただ思うわけです。

 

「自分達がまだうまくいけてないのにいきなりお客様へ還元できるのか?」

 

と…

 

実はさっきの経産省のレポートにあった、『2025年の崖』というワード。

 

これは経産省曰く、
「企業の既存システムが複雑化、ブラックボックス化、老朽化することで、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」

という問題です。

 

要は経産省
「DX化を進めないと12兆円/年間の損失がでちゃいますよ!」
と言っているわけです。

 

ただ、こんな桁違いの額を聞いてただのイチ企業が
「じゃあやらなきゃ!」
ってなるか?とも思います笑

 

ここでとある面白いアンケートの結果を引っ張ってきました。

——————————-

日本国内の全業種1万4549社の情報システムやネットワークの管理、運用担当者ら決裁や選定に関与する立場の社員を対象に2019年11月6日~8日に予備調査のWebアンケートを実施して分析。

 

うちIoTについて理解していると回答し、IoT技術の社内導入や検討を行った1000社に本調査を実施したものを記載します。
(出所:MM総研「IoT技術の国内利用動向調査(2019年11月実施)」、2019年12月27日)

 

これによると、大手製造業を中心に23.5%の企業が生産性の向上を目指してIoTの技術を導入している。

 

IoT技術の「導入を検討している」と回答した企業は13.4%で、 そのうち約3割が2020年中に導入を開始する考えを示した。

 

IoT技術を導入している企業を業種別に分析すると、最も多い製造業が29.3%を占め、次いで情報通信業が13.9%、サービス業が11.8%と続く。

 

導入した製造業の5割以上が「機械設備の稼働状況の把握」をIoT技術の用途に挙げている。

 

導入した企業によるデータの利用目的は「業務改善に活用」が46.7%、「現状の可視化」の37.6%を上回っており、単にデータを可視化するだけではなく、意思決定に結び付ける動きが進んでいる。

 

ただ、従業員の規模別に導入率を分析すると、従業員数が1000人を超える大企業は導入率が半数に達する一方で、100人以下の中小企業は9.5%にとどまった。

 

さらに、そのうち半数近くが「今後も導入しない」と回答した。

 

中小企業が導入しない理由の約6割は「IoTを導入する必要性を感じていない」と回答しており、IoT技術を活用するメリットが十分伝わっていない現状がある。

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やっぱり思っていた通り、お金のある大企業ほど進んでいて、本当にIoT化、DX化を進めないといけない中小企業が遅れているようです。

 

中国にある日系企業のアンケート結果はありませんでしたが、これと全く異なる結果だとは考えにくいので、恐らくこの中国でも傾向は同じような気がします。

 

もちろん中々導入ができない工場様の気持ちもとてもよくわかります。

 

色々と要因はあると思いますが、そもそも安くなかったりしますし…

 

ですが、生産効率の向上や人手不足など、ある種恒久的に悩んでいるタネがあるとするなら、まずは検討だけでも初めてみては如何でしょうか?

 

 

ただ本日私が言いたいことは、もちろんこうしたDX化などのような変化、改善などはやっていくべきだ、ということもそうですが、「言葉に惑わされすぎない」ということです。

 

こうした情報を見れば見るほど、
「流行に乗らなければ!」
という気持ちが前に出がちで、肝心な部分を見失いがちになりそうな気になりました。

 

うちはDXをやっている、時代の流行りに乗っている、という感情的な部分です。

 

私が思うに肝心なこと、重要なことは上に並べたようなワードを教科書のように覚えることではありません。

 

こんなのはただのワード、コンセプトなんです。

 

根底はもっとシンプルで良いのです。

 

もっとシンプルに、工場を良くしたい、という考え、動機が根底にある。

 

それを実現するための手段として色々やってたら、それが今でいうDX化やIoT化で、たまたま時代の流れに乗っていた、くらいがいいのかなと思います笑

 

それ自体は目的ではなく、手段なのです。

 

一つでも多く言葉を知っているよりも、一つでも多く行動して変化を起こし、そこから一つでもメリットを得られる方が良いに決まっていると私は思います。

 

 

本日も長い文章を最後までお読み頂きありがとうございました。

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