仕事で使えるサンドイッチ

こんにちは!

 

カイゼン研究会の池田です。

www.a-solsh.com

 

 

人はそれぞれ、自分が興味を惹かれる分野やキーワードというものを持っています。

 

それが趣味からくる場合、例えばゴルフや野球など、特に上海の日本人コミュニティでは定番のキーワードな気がします。

 

また仕事に関連したことが興味を惹かれるキーワード、分野を作り出している場合もあるかと思います。

 

一般的にはそんなことで興味を惹かれる分野やキーワードが形成されてくるかと思いますが、私の最近でいうと

 

半導体と食」

 

これが今のツートップです笑

 

そんな私ですが、つい先日とあるニュース記事が目に入り、思わず読んでしまった記事があります。

 

今回でいえば食に引っかかってくるわけですが…

 

その記事の題名には「進化系ハンバーグ」なるワードが書かれていました。

 

気になって続きを見てみると冒頭、

「第4次ハンバーグブームが到来し、次々と進化系ハンバーグのお店が開業~うんぬん」

みたいな流れで始まるわけです。

 

「いやいや、なんじゃそれは、そもそも第1次も知らん」

が心の中でも最初の感想です笑

 

ただ読んでみると食に興味のある身からすると結構面白い内容でもあり、また疑問が湧いた内容でもありました。

 

今日はそんな話題をお届けしたいなと思います。

 

「どうしてくれるんだ、このメルマガを読んだせいで今週なんとしてもハンバーグが食べたくなったしまったじゃないか!!」

 

と思って頂けたら私の今回のメルマガは成功です笑

 

 

そもそも進化系ハンバーグとは何なのか

 

この記事を書いた人曰く、進化系ハンバーグというのはこの人自身の造語のようで明確な定義は書いていませんでしたが、飯とハンバーグとの親和性を高めたものがそれにあたるようです。

 

挽肉と米

 

というお店をご存知でしょうか?

 

私も去年頃だったでしょうか、ニュースで見て知ったのですが、1人前ずつ鉄板に焼いた状態のハンバーグを提供しているお店でした。

 

ただ驚くことにまだ中身は生の状態で提供され、客自身が鉄板の上で好きな焼き加減で焼いてから完成させる、というものです。

 

鉄板で提供するハンバーグというのは他にもありますが、あのレベルの生の状態で出すお店は見たことがありませんでした。

 

しかも、そこはお米にもこだわり炊き立ての美味しいご飯の上にハンバーグを乗っけて食べる、というスタイルでした。

 

日本人は刺身しかり、生ものを好む傾向があります。

 

立って輝くご飯の上に焼き過ぎていないハンバーグを乗っけて、そこに好みのソースをつけて食べる。

 

コロナでなかったら飛んで帰って食べに行ってます。

 

どうやらこのお店がブームの火付け役のようで、これを皮切りにご飯とお肉にこだわり、親和性、相性を高めたいわゆる定食スタイルのハンバーグが人気を博しているようです。

 

ただこれが第4次というなら、第1~3次はいずこへ?となりますよね。

 

そもそもハンバーグが一般的になったのは1962年、チルドハンバーグのマルシンハンバーグが登場して以降だそうです。

 

当時はハンバーグの知名度はかなり低かったようですが、1970年以降にファミレスにハンバーグが登場して人気がでました。

 

これがハンバーグの第1次ブーム。

 

そして1976年にハウス食品のハンバーグヘルパー、1978年に丸大食品のチキンハンバーグが登場、家庭用のレトルトハンバーグの品質が向上しました。

 

この影響で1980年代にハンバーグが家庭料理として普及し始めます。

 

これが第2次ブーム。

 

家庭に普及するというのは市場としては大きいですね。

 

ただ依然としてハンバーグはファミレスなどで子供中心に家族で食べる印象が強かったようなのですが、2005年に俺のハンバーグ山本が開業。

 

これが人気になったのが第3次ブームと筆者は呼んでいました。

 

どうやらこれを機に、大人でもハンバーグを食べに行こうと言える空気ができたそうです。

 

そして今の第4次ブームでご飯に合うハンバーグ、ということを突き詰めているわけです。

 

「焼肉は酒より白米だろ!」を信条にしている私からすれば、最高にうまそうなブームです笑

 

2013年に結成された日本ハンバーグ協会のバーグマン田形理事長いわく、日本人はもう和食といってよいのでは?とのことでした。

 

すごい発言だなーと思いますが、パンではなくご飯に合わせることを突き詰めている点では、確かに和食ともいえるのかもしれません。

 

 

しかし和食、という言葉がでてきた時にふと思ったことがあります。

 

それは「いうても日本人の牛肉の歴史って浅いような…」という点です。

 

 

ここで簡単にですが、ちょっと調べてみた肉の歴史を振り返ってみます。

 

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弥生時代

運搬や農耕には牛馬は必要だったが、魚が豊富だったので浸透はしなかった。

 

古墳時代

538年、仏教が入ってきて殺生禁止があったので肉食を避ける風習が生まれた。

676年、牛馬猿鶏を食べることを禁じ、本格的にダメになった。

 

飛鳥時代

殺生は良くないが、肉食を親しんでいた人の間では鳥獣の肉を楽しむ風習薬猟といわれて続いていた。

 

奈良・平安~鎌倉時代

武士階級は軍事演習も兼ねた狩りで貴重なたんぱく源を得ていた。

 

室町時代

魚や鳥の肉などを味噌や醤油で味付けした日本料理の原型ができた時代らしい。

魚や鳥は上品な食べ物、獣は野蛮で下等、という考え方はあったので盛んには食べられていなかった。

 

安土桃山時代

鉄砲が伝来、南蛮文化が入ってきた。

南蛮人との交易もあり仏教の殺生戒が薄まり牛国や豚肉が食べられるようになったが、秀吉が「伴天連追放令」でキリスト教を禁止してからは、牛馬をと殺し食用とすることも禁じた。

 

江戸時代前期

三代将軍家光によって「鎖国令」が発せられ、キリスト教や、南蛮文化も禁止され、それに伴い牛馬の畜禁止令も出た。

獣食を忌み嫌う人もいたが、南蛮文化などにふれ食生活が豊かになったので獣肉食を食べる人も多かった。

 

江戸時代後期

自宅では調理しにくいので外食でイノシシやシカ、狸、鶏肉などを楽しむ町民文化が花開いた。

 

明治時代

1869年に海軍が栄養をつけるために牛肉を食べることを採用し、1872年に明治天皇が初めて食された。

それにより新聞が肉食を奨励するようになる、その頃流行ったのが牛鍋屋。

有名な明治時代の小説、仮名垣魯文安愚楽鍋』(あぐらなべ)によれば、牛肉を食べることは、文明開化の洗礼を受けることであり、大工や左官、芸奴らが「牛鍋を食わねば開化不進奴(ひらけぬやつ)」などと言って牛鍋を得意気に食べて、牛鍋屋が大繁盛する様子が描かれています。

 

ちなみに牛鍋は関東風吹き焼きのような甘い味付けの鍋で、調味料はしょうゆ、みそ、砂糖などを使っており、欧米の料理をまねたのではなく、うまく日本人の文化に取り込んだと言えるスタイルだった。

 

これにより肉食に対する抵抗が徐々になくなっていった

 

大正時代

明治時代後期から大正時代にかけて食生活がますます欧米化、牛肉や豚肉が一般家庭に浸透してきた。

ハムやソーセージなどの加工技術が欧米から伝えられ、食肉加工食品も盛んになっていった。

 

昭和時代

太平洋戦争勃発の1941年(昭和16年)、食料不足で牛肉も出回らなくなる。

1946年の太平洋戦争敗戦直後、日本は貧しくなった。

1955年(昭和30年)以降はアメリカの食文化の積極的な導入により日本人の食生生活は大きく変わった。

1955年から日本経済が復興から高度経済成長期の時期に突入したことで牛肉の生産量、消費量も増えていった。

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ここからわかることは、そもそも日本人は明治時代以前、牛肉を食べる習慣がなかった、ということです。

 

つまり日本人が初めて牛肉を食べるようになったのは明治時代以降、ということになります。

 

明治なんて1868年~1912年まで、つまり150年そこそこ前からです。

 

これが長いのかどうかは別として、すでに牛肉は浸透し、ハンバーグは国民食といえるほどみんな大好きになっています。

 

肉好きだけどハンバーグは嫌い、という人はみたことがありません笑

(肉嫌いは仕方ないにしても…)

 

 

ここに私は日本の土壌の深さ、というかすごさを感じます。

 

言ってしまえば別にハンバーグなんて日本発祥でもなんでもないわけです。

 

※ハンバーグの原型はタルタルステーキと言われていますが、ハンバーグの起源は長くなるのでまた別の機会にでも…

 

そんなハンバーグはファミレスの流行に乗れたことも大きかったかもしれませんが、今や国民食と呼べるのでは?というところまで地位を上げています。

 

「それってハンバーグだけじゃないの?」

 

あげればまだあるでしょうが、少なくともジャパニーズフードの日本代表選抜メンバーの寿司、ラーメンだって元をたどれば発祥は日本ではありません。

 

ラーメンは言わずもがなですが、寿司も東南アジアの熟鮓(なれずし)という発酵食品が起源といわれています。

 

山岳地帯に住んでいた民族が入手困難な魚を長期保存するために編み出した技法で、奈良時代に朝廷への貢ぎ物として献上されていたようです。

 

それが江戸時代中期になると、発酵させる必要のない早寿司が誕生します。

 

米酢が一般化したことで、発酵をより短くしても食べられるようになったものが早寿司のようです。

 

そして江戸時代後期になると握り寿司が考案されます。

 

気の早い江戸っ子には待たずに食べられるこのスタイルが大変うけたようです。

 

この握り寿司あたりから漬けの刺身などが使われていたようですが、明治時代になると製氷技術、漁、流通が発展したことで生の刺身が使われ始め、今まで寿司が発展してきたようです。

 

 

なんかただの食い意地な気もしなくもありませんが…笑

 

ただ事実、こうして寿司は言わずもがなな地位であり、ハンバーグも国民食という地位を確立しつつあるのかもしれません。

 

単純にハンバーグがおいしいということもありますが、これは勝手に上がったわけではなく、日本人が自分達の土壌、ベースに合わせて洗練させてきたことが大きいわけです。

 

自分達のものではないものを自分達のベースに合わせて洗練させていく、アレンジして自分達のものにしてく、貪欲に吸収して取り込んでいく、これが我々日本人の素晴らしいスタイルだということを感じます。

 

食というのは人のベースにあるものです。

 

このベースでこれができているのですから、他でもできないことは決してないと思います。

 

最近は世界でも日本は弱い国だと馬鹿にされているような気もしますが、むしろ取り込んでブラッシュアップして良いもの作ってみせる、というスタイルで突き進んでも良いのかもしれません。

 

我々が働く中国にだって良し悪しはあります。

 

その良い部分をパクる、のではなく日本人のベースに根差したスタイルに洗練していく、というマインドならまだまだ戦っていけるのでないか。

 

なんていうことを、感じたハンバーグの記事でした笑

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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