
おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
11月に
中国の電動バイク店が
大量閉店しているということが大ニュースになりました。
電動バイクや電池による火災や安全問題から
メーカーに求められる基準が
法的に厳しくなるということについて
今年1月に書きましたが
https://kaizenlab.online/10731149.html
(以前のコラム)
その影響が予想よりも大きいことが分かります。
今年9月から施行され
新基準は大まかにまとめると以下のようで
以前より大幅に安全基準を厳格になり
・25km/h超でモーター自動断電(スピード抑制)
・車体重量の上限(鉛電池車は63kgまでに緩和)
・プラスチック使用量の制限、防火性能の強化
・電池・コントローラー・リミッターの「改造防止」
・北斗測位・通信・動的安全監視機能の要求
加えて販売までの認証取得も増え、
メーカー側のコスト負担が増しています。
ちなみに
今年いきなり施行された
スマホのモバイル充電器の基準の厳格化
CCC認証も、電動バイクに適応されるようで
この認証を取るという手続きもメーカーからすると
コスト的にも時間的にも負担増となっています。。
利用者が1番多い上海で
時系列順に見ていくと
9月から新基準が施行されますが
11月末までは旧基準の販売は可能で
12月から新基準製品のみ販売可能です。
上海は電動バイクのメイン市場であり
1000万台を超える登録があります。
それに先立ち
上海では11月から
監視カメラによる電動バイク取り締まりが
厳格化され、スピード違反などを
カメラでの取り締まりと罰金が始まりました。
建前上は
すでに販売された旧基準のバイクは
使用可能なのですが
かなりの割合のバイクは
違法改造でスピード上限が外されていたり
ライトや部品が追加されています。
旧基準はOKだけど
改造は許さないということで
今まであいまいにされていた部分に対して
その取り締まりを強めているということです。
少し話がそれましたが
なぜ大量閉店しているかというと
大きく2つの原因があり
1つ目は先ほどの取り締まりの厳格化で
販売側が
今まで普通に行われていた
部品追加や改造の責任を取らなければ
ならなくなったため
11月から
過去に販売したものも含めて
摘発のリスクが上がっているからです。
旧基準はまだ販売可能ですが
改造などは、過去に販売したバイクでも
さかのぼって摘発される可能性も
ないとは言えないため
言い換えると
取り締まりの基準が
販売業者にとって不明確なため
閉店を選ぶ方が合理的となっています。
2つ目の理由は
単純に新基準に合格した
バイクの供給が追い付いていないためです。
生産側としては
9月から新基準のバイクに生産を切り替えなければ
ならないのですが
大手メーカーの
ナインボット(九号)や
アイマ(AIMA)でさえ
生産が追い付いていないので
さらに小規模なプレイヤーでは
まったく間に合っていない状況です。
デジタル制御部品の標準搭載や
CCC認証に時間がかかるということも原因ですが
この法律の施行に向けて
8月に旧基準バイクへの需要が爆発して
その生産に追われていたということもあります。
上海では通常12万台/月くらいの需要ですが
駆け込み需要で、8月は21万台も売れました。
旧基準バイクについて
まだこれからの販路
・海外に輸出できるのか?
・何か対応を国内で使えるのか?
などが決まっていないため
在庫をどうするかという問題も隠れています。
この2つの理由から
販売店は倒産というよりは
あえて
閉店を選び
販売や罰則の基準が明確になってきて
新基準製品の供給が安定しだしてから
再びオープンする方が
リスクが低いという判断をしているようです。
ちなみに
すでに電動バイクが普及している中国でさえ
法規変更による影響が大きいのですが
今年の夏に
ベトナムでも
ガソリンバイクから
電動バイクへの切り替えを
2026年から進めると
政府からアナウンスがありました。
まずは
ハノイ市内への
ガソリンバイクの乗り入れ禁止から始める
とのことですが
そもそも
ベトナムでは
ほぼガソリンバイクしか普及しておらず
大混乱を生むことが予想されます。
ベトナムのバイク市場で
大きなシェアを取っている
HONDAへの打撃もあるため
日本政府が
ベトナムの雇用環境に
深刻な影響を与える可能性があると
書簡を出すくらいでしたが
電動バイク市場が
育っていないベトナムで
どのような変化が起こるのか
中国メーカーの攻勢が始まるのか、
国内や日本メーカーも
競争に乗り出すのか、
もう来年に迫っていますが
まだ先が見えない状況です。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
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