<中国プチ情報>中国の5ヵ年計画とは??


おはようございます。

カイゼン研究会(a-Sol上海)です。

 

海外駐在ニュースでは

ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。

(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)

 

 

中国では5年に1度

経済や社会発展のための方針である

5ヵ年計画が発表されます。

 

 

もともとは

ソ連の計画経済管理で使用されていたもので

中国もそれに倣って始め、現在まで続いています。

 

 

2025年がちょうど

第14次五ヵ年計画の最終年であるため

 

10月23日に

次の五ヵ年計画(2026年~2030年)の内容に関する講和が

国家主席から行われたことがニュースになりました。

 

 

よくニュースなどでは目にすることはありますが

実際に5ヵ年計画と聞くと

 

 

ソ連でうまくいかなかった

計画経済のイメージもあるので

なんでまだやっているのかよくわからない

という印象でした。

 

 

私と同じような感覚の人も多いためなのか

このタイミングで5ヵ年計画の変遷や解説が

澎湃新聞でスタートしていました。

 

 

それを見てみると

思っていた

計画経済のイメージとは

かなり違っていた部分がありました。

 

 

 

 

まず驚いたのは

五ヵ年計画という名前から

五ヵ年規画に変わっていたということです。

 

日本語のニュースでは

だいたい五ヵ年計画という

名前が使われていますが

 

 

2006年から

五ヵ年規画にあえて変えています。

 

 

それまでの五ヵ年計画の内容は主に

イメージ通りの計画経済の目標という感じでした。

 

どういうものかというと

 

それぞれの製品ごとに

家電 生産計画台数○○台

繊維 ○○トン

サトウキビ ○○トン

茶葉 ○○トン

 

・・・

のように

生産品目と

地域などに分けて

目標生産計画を列挙していくという形式でした。

 

 

そこから

1992年に社会主義市場経済の確立

2001年の中国のWTOの加入あたりから

 

世界の市場とつながってきたため

 

国は計画数を配分する役割でなく

市場の状況に合わせて、調整をしていくという

方針に変わったため

 

この名称変更になったそうです。

 

 

ただ名前が変わっただけでなく

 

内容に関しても

それまでは

さっき書いたように

各産業の商品に対する

生産計画がメインでしたが

 

 

2006年からは

(1)本文(戦略や理念)

(2)各種目標

(3)プロジェクトなど

 

 

五ヵ年規画からは

企業の中長期目標のような形に変わっています。

(まったく計画経済のイメージと違います)

 

 

(1)に関しては数字というより

 

例えば

経済発展という項目では

デジタルや新エネルギーを推進し・・・

などなど

数値でなくありたい像の説明に重点が置かれています。

 

そして

(2)は今まで生産計画目標だったのですが

2つの特性の指標に分かれ

 

・予期性

・拘束性

この2つのKPI が並べられます。

 

予期性の方は

市場環境によって影響を受ける項目で

それ以前の必達目標ではなくなった部分です。

 

・GDP成長率

・労働生産性

・失業率

などマクロ経済指標に基づいたものが

並んでいますが、

予想という意味合いが強いです。

 

他にも

イノベーション推進という項目なら

・研究開発費が○○%以上

・発明特許数

・デジタル経済価値のGDP比

 

などなど

かなり多数の項目が並び

それぞれの目標値が書かれています。

(日本よりもかなり細かいです)

 

 

 

そして

もう一つの拘束性指標が

特徴的で

 

今までは各数量の生産目標という

どちらかというとプロセスの指標でしたが

 

結果指標に強制力を持たせる代わりに

やり方は指定しないという方向に変わっています。

 

 

例えば

拘束性指標で代表的なものは

 

環境・エネルギー関連で

・GDPに占めるエネルギー消費の削減(5年で13%削減)

・CO2排出

など

 

日本を始め各国でも行っている指標管理ですが

他国は2035年までに2013年比で-60%など

かなり長期の目標ですが

 

 

中国では

これが5年ごとに目標になり

毎年必達目標として評価対象になるという

拘束力のある指標になっています。

 

 

各国では

目標を立てた時は華々しく報道されますが

その後どうなったかわからないのに比べ

 

 

中国では

中央も各地域も

1年ごとに進捗が見られ

死守するような設計になっています。

 

 

 

他にも拘束性指標としては

 

・良好な空気日数の割合(87%以上)

・森林被覆率(国土に占める森林の割合 24%以上)

・食糧生産量(6.5億トン以上)

・エネルギー生産能力(○○以上)

などが

 

計画的に達成しなければ目標となっており

こちらでは計画経済のようなルールが適応される代わり

施策の中身は任せるという変化があります。

 

 

 

そして

(3)のプロジェクトの中に

重大工程と呼ばれる

主要プロジェクト

 

 

鉄道開発や

高速道路の建設など

インフラに関わるプロジェクトが

ずらっと並んでいるような形です。

 

 

こうやって見ていくと

計画経済というイメージからは

かなり離れており

 

 

やはり

企業の中長期目標や方針管理の

ような形式に変化していることが分かります。

 

 

・方針や重点項目の説明

・各KPI

・主要プロジェクト

・毎年の点検と評価

 

 

5ヵ年規画では

それが国単位で行われているようです。

 

 

こう言う可視化管理は

日本ではなかなかわかりにくく

結局今年はどうだったの?

というのが曖昧なままだったりしますが

 

 

中国では

毎年のイベントとして

達成度が発表されています。

 

 

しかし、

若年の失業率の公表がされなくなったように

 

 

停滞期で各指標が

そこまで伸びなくなってきたときに

 

この可視化の項目が

どうなっていくかはわかりません。

 

 

 

本日の海外駐在ニュースはここまでです。

ありがとうございました。

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