<現場カイゼン通信>風の谷のナウシカの目線(コミュニケーションの方法)

こんにちは!

カイゼン研究会の宇賀です。

今回のテーマは

風の谷のナウシカの目線

です!

突然変なテーマなのですが、内容はコミュニケーションの方法についてになります。

(ナウシカが周りの人を説得、共感させ、巻き込み同じ目標に向かって動かしていく方法が仕事や日常にも通じるのではないかと思い選びました。)

「風の谷のナウシカ」は、昔映画は見たことがあったのですが、今回、漫画(全7巻)を初めて読みました!

映画版ではそのうち2巻くらいまでしか描かれていないということを知り、映画で完結していたように見えていましたが、先を知りたいと思って漫画を読んだのです。

しかし、世界観は映画と同じなのですが、ストーリーがまるで違うので驚愕しました。

見ていない方もいらっしゃると思うのであらすじを書きます。(詳細は書きません)

高度文明が発達しきった豊かな世界で大戦争が起こり、文明や自然が破壊しつくされた後の世界を描いています。そして、そこで生き延びた人類は、瘴気(しょうき)と呼ばれる有毒なガスを噴き出す「腐海(ふかい)」や、巨大な虫などの脅威に虐げられながら生きていました。徐々に腐海(ふかい)が広がっていく世界の中で何とかして、虫や腐海(ふかい)と共生できないかと奮闘しているのがナウシカです。風の谷という小国の王女様で他国の戦争に巻き込まれながらも、虫や腐海(ふかい)と生きていく道を探す

というのがこの漫画のあらすじとなります。

この漫画は結末が驚くべきもので、読み終わった後も考えさせられることになるのですが、それにはあまり触れません。

(ぜひ読んで欲しいです。しかし映画と全く違うので子供向けではないです。。)

ストーリーを読んでいく中で面白かった部分として、いかにしてナウシカが周りの人を巻き込み同じ目標に向かって動かしていくかという部分を話します!

ナウシカが対立している他国の人やまったく違う思想の人たちを動かすときに通るステップがあります。

それは、相手の目線を変えてあげることです。

(ちなみにナウシカ自身は普通の人の考え方とは大きくずれており虫や動物と喋れたりします。そんな人なのですが、他の人の共感を得たり、説得したりしていきます。)

目線を変えてあげるというのは、考える範囲(スコープ)を大きくしたり、小さくしたりすることや主語を変えたりすることで目の前の物事の捉え方も変わってくるということです。範囲には時間も入ります。

よく小さいときに「相手の気持ちを考えなさい!」とか怒られたりすることがあると思いますが、

目線を変えて、相手の目線から考えてみるとあなたのその行動はどれだけ悪いかわかるだろ、

と納得させるために言ったりします。

ここでナウシカがすごいのは、

相手の気持ちになって考えてあげるのがうまいという訳ではない、

ところです。

よく考えると、

相手の気持ちになって考える

自分の考え(意見)を言う

というのは全く違うことです。

相手の話を聞き、思いやり、置かれている状況をうんうん、と聞いて共感していてもその場で相手の好感は得れるかもしれませんが、自分の望むように動いてもらったりすることにはつながりません。
(好感を上げ続けることで、良い奴だからとお願いが聞いてもらいやすくなったりはします。)

しかし、相手の意見を聞かず、自分の意見ばかり言っていても、同じように動いてもらえませんし、動いたとしても続きません。
(このバランスが難しいところです)

じゃあナウシカは何がすごいの?と言うと、

相手とは違う目線を持ってきて、共感も説得も同時にしてしまうという技を使っている

のです。

2国が領土や兵器、資源のために争っている場面で、

「人類」にとってはこの道が良いよね?と言ったり、

人類が生き残るためにどうするという話の時には「生命」としては、○○が良いはず、

などと言うのです。

(ナウシカの目線は物語が進むにつれてどんどん高くなっていくので、仕事や日常に使う例としては難しいのですが)

もちろん理想主義過ぎると、すぐにみんなが納得するわけではないのですが、

目線を変えてあげる前に存在していたYes,Noの対立軸をなくしてあげているのです。

企業の例で言うと、自部門のメリットデメリットばかり考えてしまい部門間での話し合いが進まない時に、

相手を否定するのではなく企業全体で見たときに得が多いのでこっちのほうが良いだとか、

もっと別の方法があるという目線の変え方です。

この目線を変えるということを入れるだけで、話し合いはかなり建設的になります。
(対立や意見を一方的に言うという時は、できない理由ばかりが飛び出してきますが一旦目線を変えてみると、利害にとらわれず話せます)

これはやはりコミュニケーション(伝える内容)で使うことが大切で、心がけでは難しいように感じます。

ナウシカの世界でも現実の世界でもそうですが、やはり、目の前や自分のことでいっぱいになりながら生きている中で、異なる目線を常に持つのは難しいものです。


トヨタでも2つ上の目線で仕事をしなさいとよく言われますが、これは心がけの言葉だと思います。

自分に言い聞かせるのは良いのですが相手に高い目線を持ってほしい時には具体的な仕事の中のコミュニケーションとして目線を変えたことを言うことがより伝える相手の行動につながるのかなと感じます。

部下に何かを指示を出すときにも、その作業がお客さん、部署、ひいては会社にとってどうつながるのか、教えて理解してもらうというのも目線を変えてあげることの一つの例です。


抽象的になってしまいましたが、ナウシカが自分の意見を明確に持っており、性格も強く主張するのですが、対立することなく、周りの人を巻き込んでいくのは相手の目線を変えてあげているからじゃないか?という話をしてきました。

ちなみに、目線が高すぎると(違いすぎると)伝えてもなかなか相手の行動につながらないこともありますが、

ナウシカは壮大なことを言うのですが、自分が先頭を切ってそれに向かって行動していくのでそれも大きな要素なのかなと思います。

(壮大で考えさせられるストーリーの漫画版をぜひ!!) 

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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